鹿児島県は,南北600キロにも及ぶ様々な地理的環境が豊かな食材を生み出すとともに,多くの郷土料理があります。
これらの郷土料理の中から,平成27年10月15日~11月15日に実施した「かごしまの味」県民投票結果をもとに,「かごしまの味制定委員会」において,鹿児島県全域18品,奄美地域10品を「かごしまの味」として制定しました。
1.鹿児島県全域・奄美地域「かごしまの味」の制定について
- 酒ずし4~5月にかけて出盛りの魚介類(桜鯛・海老)と山の幸(つわ、竹の子、木の芽など)を贅沢に使い、酢を使わず地酒をたっぷり使って発酵させた、豪華な押しずし。
- さつますもじ「すもじ」とは、宮中の女房言葉で「すし」のことである。春の祝い行事、特に桃の節句には必ず作られるごちそう。【他の呼び方】ばらずし、混ぜずし、ちらしずし
- からいもご飯「からいも」は「さつまいも」のこと。ほくほくとしたさつまいもの甘味とごはんとの相性がよい。
- 豚汁豚肉と野菜類を煮込んで味噌で調味する。豚肉から出る脂が汁の表面を覆い、冷めにくいのが特徴。
- さつま汁鶏肉が入った具だくさんみそ汁。闘鶏で負けた鶏をみそ汁にしたのが始まりといわれる。
- ヘチマの味噌汁ヘチマは鹿児島で古くから食べられてきた夏野菜。お盆の精進料理としても出される。
- がね野菜を太めのせん切りにして、衣と混ぜ合わせて揚げた形が、「かに」に似ていることから、鹿児島弁の「かに」=「がね」と呼ばれている。
- 豚骨ぶつ切りにした豚の骨つきあばら肉を、大根やこんにゃくといっしょにやわらかく煮た料理。
- つけあげ季節ごとに獲れる魚のすり身を成型し揚げた料理。【他の呼び方】さつまあげ、つっきゃげ
- 鳥刺し鶏肉を「生」のまま刺身で食べる鹿児島の独特の食文化。.おろしたしょうがやにんにくを添え、しょうゆでいただく。
- きびなごの刺身新鮮なきびなごを手開きにした刺身。菊の花のように盛りつける。酢みそで食べるのが特徴。【他の呼び方】きびなごの菊花盛り
- あくまき端午の節句に作られる。灰汁(あくじる)に餅米を一晩漬けて汁を切り、孟宗竹(もうそうちく)の竹の皮で包み、水に少しの灰汁を加え3~4時間煮る。
- 白熊鹿児島発祥の氷菓。かき氷の上に加糖練乳をかけ、缶詰などの果物を盛り付け、その上に小豆かんをのせたものが本来の姿。
- からいもねったぼつきたての餅に、蒸したさつまいもを加え、芋をつぶすようにつき混ぜる餅菓子。【他の呼び方】からいもんねーぼ
- かるかん鹿児島の素朴な銘菓。かるかん粉(米の粉のあらびき)と山芋を使った蒸し菓子。中にあんを入れると「かるかんまんじゅう」になる。
- ふくれ菓子小麦粉、重曹、(黒)砂糖を混ぜて蒸す。よもぎやかぼちゃなど地域の食材を加えたり、サネン(月桃)の葉を敷いて蒸し、香りを楽しむ地域もある。【他の呼び方】ソーダ菓子
- じゃんぼ餅「両棒餅」「ぢゃんぼ餅」とも書く。お餅に二本の竹串が末広がりにさせてあることからこう呼ばれる。砂糖、うすくちしょうゆ、かたくり粉等で作った甘辛いたれをかけて食べる。
- げたんは黒砂糖と小麦粉を焼いて三角に切った焼菓子。「下駄の歯」を意味する「げたんは」に似ていることから名付けられた。「横川菓子」「三角」とも呼ばれていた。
- 鶏飯ご飯に具材と鶏がらスープをかけた奄美のもてなし料理。本土から奄美大島に砂糖の取り立てで渡ってくる役人の気持ちをやわらげるため、用意した料理といわれている。
- 豚みそ豚肉と島味噌を主な材料とし、混ぜ合わせたもの。ご飯のおともに。
- 油ゾーメン固めにゆでたそうめんに野菜、油と出汁をからめて味付ける。
- パパイヤ漬けお茶うけや常備菜に作られる。奄美地域で青パパイヤは野菜として漬物や炒め物に使われている。
- 豚骨野菜大きく切った島豚とツワブキ、昆布、大根、人参、コシャマン(在来種の山芋)などを煮込んだもの。【別な呼び方】ウァンフィネヤッセ
- 三献奄美地域で正月や祝日などハレの席の儀礼食。一の膳は餅の吸い物、二の膳は刺身、三の膳は豚の吸い物となっており、それぞれの膳の間に焼酎が振る舞われる。
- ミズイカのマダ汁ミズイカは胴長40㎝に達する比較的大型のイカで、ミズイカの黒袋(マダ)から墨汁をしぼり、だし汁に味噌、湯通ししたイカを加えひと煮たちしたあと墨汁を入れる。
- 黒糖さとうきびを搾汁し、直火釡で煮詰めるという昔ながらの手作り製法を守っている。特有の風味があり、香り高いのが特徴【他の呼び方】黒砂糖
- かしゃもちよもぎと餅を合わせ、カシャ(クマタケラン)の葉に包んで蒸していただく。【他の呼び方】ふっつもち
- みき奄美に伝わる米の粉やさつまいもを用いた飲み物。普段から飲まれているほか、高祖祭には赤飯や煮物と供に供える。
2.「かごしまの味」県民投票結果について